南三陸町八幡川 サケの捕獲始まる
南三陸町八幡川 サケの捕獲始まる
南三陸町志津川の八幡川で29日、サケの捕獲が始まった。初日は38匹で東日本大震災後、過去最低だった昨年と同様、厳しい出だしとなった。
内訳はオス20匹、メス18匹。志津川淡水漁協の作業員が、「やな」と呼ばれる仕掛けから網で魚体を1匹ずつすくった後、そばのテントで採卵、授精を手早く済ませた。
魚体は大ぶりだったが、卵は体内で水分を含んでしまったものが多く、採卵できたのは想定を下回る約2万粒。同漁協の千葉純一さん(36)は「昨年同様に厳しいスタート。卵を丁寧にふ化させ、1匹でも多く放流につなげたい」と話した。
昨シーズン八幡川の捕獲数は839匹で前年の7割。採卵数は353万5千粒と前年の3倍に増えたが、自前で確保できたのは45万粒だけ。山形県からの移入や海産親魚に頼り、290万匹を放流した。
今季は500万匹の放流が目標。海産親魚や気仙沼市の大川、小泉川と共同での採捕活動などで種卵を確保していく。沿岸サケ漁の不振が続いていることから定置網などへの網上げの協力は行わず、他県からの種卵確保は全国的な動向を見ながら判断していく。