気仙沼の天気を確認2021年12月07日(火)

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サケ漁沿岸も不振極める  

ばんじょう籠で販売されるサケ(気仙沼魚市場)
ばんじょう籠で販売されるサケ(気仙沼魚市場)

サケ漁沿岸も不振極める  

 県沿岸で定置網、刺し網によるサケ漁が不振を極めている。20日で漁期が終了した刺し網は、気仙沼魚市場の水揚げ数量が昨年の1割ほどにとどまった。全く取れず漁にならないことから、多くの漁業者が期限前に別の漁へと切り替えるなどした。定置網も漁獲が大幅に少なく、構内にわずかに並ぶばかりだ。
 気仙沼魚市場に本年度水揚げされた刺し網のサケは、20日現在で2・4トン。昨年同期の9・8%にとどまる。唐桑~石巻沖で行われていた刺し網漁の期限を同日に迎え、今後は混獲によるわずかな数量しか揚がらない見込みだ。
 唐桑町の70代の漁業者によると、すでに先月下旬にサケ漁からタコ漁へと切り替えた。サケの漁期中、最も取れたのが1日で6匹だけ。「1300匹も取れた時もあったのに…。油代(燃料代)にもならず、漁に出るたびに赤字だった」と嘆く。
 この漁業者は「今年は昨年より来遊があるとの予報だったので期待したのだが…。これではサケ漁をやる人は来年以降いなくなる」と話した。
 定置網も今季は20日現在、気仙沼魚市場に昨季の20・5%の14・9トンしか揚がっていない。水揚げは毎日見られるものの、ばんじょう籠に数匹ずつといった状況で、買い受け人は「本来ならタンクに入れられて並ぶのに…。少ないので浜値が高く、卸先に値上げをお願いした」と語る。
 入札による取引価格は雌の高値が1キロ2千円を超える。昨年同期は高くても1600~1700円ほどだった。別の買い受け人は「来年以降もずっとこの状況なのだろうか。川の遡上(そじょう)も少なく、ふ化放流の稚魚は減る。何か手だてを考えないといけないのでは」と話していた。
 沿岸サケ漁の大不振は県全体が同じ状況で、先月末現在、定置網や刺し網などが水揚げしたサケの数量は気仙沼、石巻、塩釜各地区合わせて37・3トン。東日本大震災前の2010年度のわずか1・7%となっている。