気仙沼の天気を確認2022年05月22日(日)

購読のお申込
株式会社 三陸新報
株式会社 三陸新報

南三陸町で建設業から転身しセリ栽培に挑戦

セリの栽培に挑戦している阿部さん
セリの栽培に挑戦している阿部さん

南三陸町で建設業から転身しセリ栽培に挑戦

 南三陸町戸倉地区で、鍋などの食材として人気のセリの生産に挑戦している新規就農者がいる。建設業から転身し、昨年から県内産地の石巻市河北町でノウハウを学んできた阿部高裕さん(44)=日向=だ。
 阿部さんは、復旧・復興事業の完了が見えてきた時、将来やりたいことを考え、実家の水田を活用したセリの栽培に思い至ったという。昨年5月から河北町の農家の下で働き、定植から出荷までを経験してきた。
 水田には、働いていた農家から購入した親ゼリ約6千株を植えた。お盆過ぎに種を取り、その種を芽出しした後で収穫用約20アールに定植。順調に育てば10月から収穫でき、春には葉ゼリも出荷する見込みだ。
 JA新みやぎによると、気仙沼市と南三陸町には、6人ほどが栽培しているが、いずれも試験的。多くの水量が必要なほか、水温が10度以下で成長が鈍るため、当地方では栽培方法は確立されていない。阿部さんも「河北とは条件が違い、やってみなければ分からないことが多い」と話す。
 セリは鍋、お雑煮になどの材料として人気が高い。主産地の名取市や河北町などでも、作業の機械化が難しいことや高齢化で生産者が減少傾向にあり、市場での引き合いは強くなっている。
 阿部さんは「当面は試行錯誤となるが、秋に収穫できることを期待しながら頑張る。順調ならば、井戸を掘って水量を確保しながら作付面積を増やしていく。栽培方法を確立すれば、転作などの参考にもなると思う」と、不安と期待を抱えながらも、新たな農業の可能性を見いだそうとしている。