気仙沼の天気を確認2022年06月29日(水)

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株式会社 三陸新報
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気仙沼市とWWFが海プラ解消プロジェクト始動

プロジェクト始動に当たり決意を固める関係者
プロジェクト始動に当たり決意を固める関係者

気仙沼市とWWFが海プラ解消プロジェクト始動

 気仙沼市と東京都の公益社団法人「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」が協働する使用済み漁網の回収・リサイクルプロジェクトが始動した。まずは不要になったサケ用刺し網の100%回収を目指し、段階的に海洋プラスチック問題の解消につなげる。30日にプロジェクトの発足発表会が行われた。
 放棄、逸失、投棄による海への漁具流失を防ぐプロジェクト。漁具が海に流出すると「ゴーストギア」(漁具の幽霊)と呼ばれるようになるが、そのほとんどがプラスチック製。ウミガメ、海鳥、魚類などが餌と間違えて捕食するケースが後を絶たないことから、適正な回収とリサイクルを促すことで問題の根本解決を目指す。
 ゴーストギア対策のためのWWFと自治体の協働は国内初。気仙沼市が2019年に「海洋プラスチックごみ対策アクション」を宣言したことからWWFが企画を提案。市は、ESD(持続可能な開発のための教育)を通じて以前からWWFとつながりがあり、「地域と一緒に!漁網のみらいプロジェクト」と名付けた。
 サケ用刺し網の回収からスタートし、徐々に対象を広げて近海マグロはえ縄の幹縄、枝縄なども集める方針。回収は無償で、漁業者の経済的負担の軽減も期待される。
 集めた漁具は、いったん再生プラスチック原料に加工し、スポンサー企業の協力で製品化を目指す。クーラーボックスやスーパーマーケット用買い物かごなど、長期的に使用できる製品への再生を目指すという。
 市まち・ひと・しごと交流プラザで開かれたプロジェクト発足発表会では、WWFの前川聡海洋水産グループ長が「水産業を基盤とする気仙沼市で、地域の皆さんと一緒に取り組む意義は大きい」。菅原茂市長が「プロジェクトを通じ、『海に責任を持ち、海と生きる民』であることを発信していきたい」などとあいさつした。
 引き続き行われたトークセッションでは、市水産課の吉田浩義漁業振興係長、市教育委員会の佐藤慎也副参事、市内の一般社団法人「みなとラボ」の梶川萌さんが、それぞれの視点でプロジェクトへの期待を語った。
 なお、同交流プラザでは6月5日まで、プロジェクトの紹介パネル展が開かれている。