防災ヘリと消防本部が注水の連携確認
防災ヘリと消防本部が注水の連携確認
気仙沼・本吉地域広域消防本部、県防災ヘリコプターによる空中消火訓練が30日、南三陸町志津川助作地内の松原公園で行われた。林野火災に備えるためで、ホバリングしているヘリへの注水作業の連携を確認した。
町内では昨年、歌津平成の森で離着陸訓練を実施したが、空中消火訓練は東日本大震災後初めて。川やため池などの取水地点が少ないため、注水作業の連携を確認することが狙い。
この日は、管内の各署所から幹部を含めて約30人、県防災航空隊などからは9人が参加。航空隊の佐藤祐治隊長から地上数メートルでホバリングするヘリの騒音、ダウンウォッシュ(吹きおろされる風)がある条件下の安全管理、意思疎通の仕方について説明を受けた後、消防士が数人ずつのチームを組んで実践した。
消防士らは身を低くしながら待機し、航空隊員のハンドサインで迅速にホースを運搬すると、放水の圧力を弱める特殊なノズルで注水した。散水と注水を複数回繰り返し、連携と作業の正確性を深めた。
佐藤隊長は「騒音、視界の悪さ、ダウンウォッシュの中での作業を体感してもらうことが重要で、確認したいことを確認できた」、同本部の佐藤宗一警防課長は「昨年は本吉町内の林野火災で空中消火の事例があった。訓練だけで終わらせず、有事の際にスムーズに対応できるように準備していく」と話した。