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91歳の髙橋さんが手作り和太鼓を地元自治会に寄贈

髙橋さん(中)が自治会に寄贈した和太鼓
髙橋さん(中)が自治会に寄贈した和太鼓

91歳の髙橋さんが手作り和太鼓を地元自治会に寄贈

 気仙沼市上沢自治会(佐藤良人会長)に、住民の高齢男性から和太鼓6張りが寄贈された。太鼓は皮をなめす作業から全て男性の手作り。「地域の人たちがにぎやかに集まれるように」。新型コロナウイルスなどで薄れつつある活気を取り戻してほしいとの願いが込められている。
 贈ったのは市内松崎大萱の髙橋實さん(91)。岩手伝統の「盛岡さんさ踊り」を見物したことをきっかけに、「太鼓を作って地域で何かできないか」と考え、20年ほど前に制作を始めた。
 昔からものづくりには長けているが、太鼓を作った経験はゼロ。農業の傍ら、近所の人からインターネットから手に入れた作り方の資料を頼りに少しずつ形にした。
 皮は、登米で生の牛皮を購入。毛や脂分を取り除いて太鼓に適した状態にするなめし作業も自前でこなした。
 胴の素材は近所から譲り受けた「きり」。製材、かんながけの腕も見事で、完成度の高さには地元の大工職人も舌を巻くほどだ。
 73歳の時に最初の太鼓が完成。今回寄贈した6張りは、それから農作業の合間を見計らいながら、10年ほどをかけて作り上げた。もっと数を増やしたかったが、自身の高齢化もあり、保管していた6張りを贈ることにした。
 太鼓は大太鼓1基と小太鼓5基。寄贈を受けた当時の自治会長だった熊谷幸男さん(75)は「昔から髙橋さんに学ぶことはたくさんあった。子供の数も少なくなっているが、素晴らしい太鼓を地域の盛り上げに活用したい」と感謝した。
 髙橋さんは人の集まりを「イモ洗い」に例え、「イモ洗いは、イモも、棒も、桶もきれいになる。コロナが収まり、この太鼓を使ってにぎやかに人が集まれる場が戻ってほしい」と願った。