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南三陸町で農家がシャインマスカット栽培に挑戦

ブドウ棚に実るシャインマスカット
ブドウ棚に実るシャインマスカット

南三陸町で農家がシャインマスカット栽培に挑戦

 南三陸町入谷地区の農家らが、種なしブドウとして人気が高い品種「シャインマスカット」の栽培に挑戦している。平地が少ない中山間地でも、収益が期待できる作物を栽培することで、厳しい状況にある農業の新たな可能性を見いだす。
 12日に入谷童子下地内のハウス(約100平方㍍)で開かれた摘果作業の研修会。5年目を迎えたシャインマスカットの棚の下で、入谷地区などの農家約10人がエメラルドグリーン色の房から摘果する作業に取り組んだ。
 シャインマスカットを育てているのは、農業阿部博之さん(64)。稲も栽培している阿部さんは、「中山間地でも収益性が高い品種を栽培できれば、農業の維持、活性化になる」と、5年前に苗木をハウスに定植し、栽培方法を試行錯誤しながら普及するために地区の農家の見学も受け入れてきた。
 入谷地区ではすでに5人ほどが栽培に取り組んでおり、地区外にも興味・関心を持っている人が増えてきているという。
 シャインマスカットの産地は長野県や山梨県のほか、東北では山形県などがある。研修会で講師を務めた気仙沼農業改良普及センターの髙橋篤広技師は「気仙沼・本吉地方は気温が高くなりすぎないので栽培に向いている。人気の高い品種なので『シャインならばやってみたい』と話す農業未経験者もいる」と話す。
 順調に育てば定植4年目ほどから出荷できる。一般的な品種よりも樹勢が強いため、せん定作業が多くなるほか、種なし処理をするなどの手間はかかるが、研修会参加者からは「農業の可能性を広げる」「町の新たな魅力になるかもしれない」などと期待の声が聞かれる。
 阿部さんは「シャインマスカットは中山間地の農業に可能性を持たせてくれる作物。農家だけでなく、加工品などを扱う事業者への波及効果も出てくるだろう。まだ市場に出すには十分な量ではないが、仲間と栽培技術を確立し、町内で作付けする人を増やしたい」と話し、秋の収穫を楽しみに待っている。