気仙沼の天気を確認2022年08月12日(金)

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気仙沼みなとまつりカッター競漕復活支える大ベテラン

練習会でアドバイスする酒井さん
練習会でアドバイスする酒井さん

気仙沼みなとまつりカッター競漕復活支える大ベテラン

 7日の第70回気仙沼みなとまつりで、12年ぶりに復活するカッター競漕大会。その復活を運営委員として支えるのが、初回から大会に携わってきた市役所OBの酒井勇一さん(70)=一関市千厩町=だ。まつりの名物行事が、新しくなった内湾で再出発するのを誰よりも心待ちにしている。
 「速くこぐより、メンバーの息を合わせることが重要です」。先月16日から18日にかけて梶ヶ浦漁港で行われた参加チームによる事前練習会。初出場チームを前に、練習会を取り仕切る酒井さんがアドバイスした。
 その後、メンバーと一緒にカッターに乗り込んで直接指導。その適格な導きに、こぐことすらおぼつかなかったチームの腕がどんどん上がっていくのが見て取れた。
 港町ならではの行事として、みなとまつりでカッター競漕大会が始まったのは1995年。2010年まで16回行われてきたが、11年の震災以降は中断した。
 内湾の整備が進み、70回記念の復活に向け準備。海から離れた場所にあって津波を免れたカッターを直し、再スタートを迎えることとなった。
 震災前、松岩漁港近くに自宅があった酒井さんは、かつて気仙沼海洋少年団が同港で練習を行っていたカッターに親しみを持っていたこと、市役所の先輩だった故・斎藤忠勝さん(享年78)から誘われたことをきっかけに、同僚とチームを組んで初回から参戦。実行委員会のメンバーとしても初めからまつりを盛り上げてきた。
 復活に当たって、大会を所管する市観光課は「選手、運営側として大会のノウハウを知りつくしている酒井さんは欠かせない」と協力を依頼。快く引き受けた酒井さんは、当日の大会運営だけでなく、練習会の段取りや事前準備までを中心となって担う。
 震災後は自宅を千厩に移しているが、協力を快諾したのも「長年お世話になった気仙沼に恩返しをしたい」との思いからだ。カッター競漕の復活を待ち望みながら2年前に亡くなった斎藤さんの思いも一緒に、まつり当日を楽しみにする。
 今回の参加11チーム中、常連組だけでなく、初出場が5チームあり、「今後につながる大会にしたい」と酒井さん。生まれ変わった内湾の景色に、レース独特の熱気とともに、交流を深める参加者同士の笑顔が広がることを強く願っている。