気仙沼の天気を確認2023年11月28日(火)

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株式会社 三陸新報
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旧小泉中グラウンド天然芝の維持管理に苦労

芝刈りに精を出す菅原さん
芝刈りに精を出す菅原さん

旧小泉中グラウンド天然芝の維持管理に苦労

 気仙沼市本吉町平貝の小泉フィールド(旧小泉中学校校庭)の利用が好調だ。昨年度は延べ5千人を超え、本年度も順調。しっかりと整備された天然芝が魅力で、サッカーやラグビーの選手たちなどに喜ばれている。一方で芝生を管理するのは、実質的に男性ほぼ一人。人手と費用に苦労しながらも「いい環境でもっと利用してもらいたい」と、手弁当で汗を流している。
 小泉フィールドは2019年度に、気仙沼青年会議所の設立50周年記念事業の一環で整備された。約9千平方㍍あり、地元団体の本吉グリーンキーパーズ(菅原英俊代表)が管理している。スポ少の保護者の協力を受けることもあるが、菅原代表(70)がほぼ一人で維持、管理に当たる。
 利用者に喜ばれているのが、天然芝。暑さや乾燥した気候に適した夏芝の「ティフトン芝」を全面に使っており、今夏の猛暑も乗り切り、淡い緑の色合いを保った。穴が空きにくく、密度の濃いやわらかな肌ざわりを維持できるという。
 グラウンドを利用したことのある鹿折ラグビースクール校長の東谷真実さんは「芝生なので転ぶ練習ができるのは魅力的。大会と同じ天然芝で練習できるのがいい」と話す。
 一方、天然芝だけに生育が天候に左右されやすいという課題もある。菅原さんは、ティフトン芝の隙間に寒冷地に強い冬芝の種をまき、混合の芝を目指している。
 人手や費用の捻出には頭を悩ませている。菅原さんは夏場、午前3時から水やりや、10日に一度の芝刈りなどをボランティアで行っている。「育て方の知識がある程度あり、週末の利用に向けて平日に維持管理できる人がいれば…」とし、協力者を募っている。費用に関してはグラウンド利用時に協力金を募っているが、肥料などの資材が高騰し、余裕があるとはいえない状況だ。
 菅原さんは「天然の芝生の感触は他になく、サッカーなどの競技以外に幼い子供を遊ばせてもいい。はだしで遊べる広場として気軽に利用してほしい」と呼び掛けている。