サンマ 漁上向くも低水準
サンマ 漁上向くも低水準
全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は、10月末現在の全国のサンマ水揚げ状況をまとめた。それによると、気仙沼港の水揚げ高は数量、金額ともに全国3位、本州2位の実績。全国的に数量では昨年同期の4割増だが、魚体組成に恵まれず金額は伸び悩んでいる。全さんまは「依然、厳しい状況」としている。
全さんまがまとめた10月31日現在の今季サンマ水揚げ実績によると、気仙沼の累計は数量1903㌧、金額8億3387万円。昨年同期の1267㌧、9億1252万円に比べ、数量は1・5培に増えたものの、金額は1割弱下回っている。
全国主要港の今季実績は、花咲(北海道)が8364㌧、42億1587万円で断トツ首位。2位は大船渡の2642㌧、13億3233万円で、気仙沼はそれに続く全国3位、本州2位となっている。
全国累計は、数量1万5571㌧、金額75億7019万円。昨年同期の1万1018㌧、69億2193万円に比べて数量は4割増えたが、金額は1割弱の増にとどまる。
シーズン前、水産庁などは今季の漁模様について「過去最低だった昨季同様の低水準」と予測していたが、数量的には「やや上向き」で推移している。
全さんまによると「資源が回復しているわけでないが、3年ぶりに三陸沖の近場に漁場形成されたことで操業・水揚げ回数が増え、昨季より数量が伸びている」という。
ただし、三陸沖は魚体が小ぶりで取引価格が伸びなかったため、気仙沼などでは金額が昨年同期を下回った。
今季は、2年ぶりに入漁可能となったロシア水域での漁については「日本近海に漁場ができたため、出向いた船はほとんどなかった」(全さんま)という。
主漁場は今後、気仙沼沖など三陸南部に南下する見通し。漁期は12月中旬ごろまでで、間もなく終盤を迎える。全さんまは「昨年は11月以降にしけが続いた。今年も天候が気がかりだが、何とか上積みされることを祈りたい」と話した。
気仙沼魚市場には10日、大型サンマ船1隻が956㌔を揚げたが、100㌘に満たない小サイズが9割を占めた。キロ平均単価は253円だった。