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気仙沼魚市場が震災後の最高更新

金額を大きく押し上げた盛漁期のビン長とカツオ(5月29日)
金額を大きく押し上げた盛漁期のビン長とカツオ(5月29日)

気仙沼魚市場が震災後の最高更新

 気仙沼魚市場の今季暦年水揚げ金額が、13日現在で218億円に上り、これまで東日本大震災後の最高だった2017年(1~12月)の212億円を上回った。要因は生鮮カツオとビン長の好漁。シーズンがほぼ終わって一本釣り船の切り上げが進むが、近海マグロはえ縄船の健闘が続いており、関係者は年末まで残り1カ月半での上積みを期待する。
 気仙沼漁協のまとめによると、13日現在の税込み水揚げ金額は218億3341万円。これまで震災後の最高額だった17年の212億6782万円を5億6559万円上回っている。
 最大の要因は5月から続いたビン長とカツオの好漁で、一本釣り船と巻き網船だけで全体の6割に当たる130億3434万円を揚げた。
 このほか、近海マグロはえ縄船もヨシキリをはじめとするサメ類やメカジキの高値に支えられ、全体の1割強に当たる25億8222万円を揚げた。
 10月末時点の累計金額は211億6074万円で、17年の暦年実績をわずかに下回っていた。今月に入り、近海はえ縄船で3千万円超えの水揚げが相次ぎ、金額を押し上げた。
 13日にも南三陸町の近海はえ縄船・第31幸栄丸(149㌧)が北海道東沖で漁獲したヨシキリやメカを中心に数量80・4㌧、金額3490万円を揚げるなど好況が続いており、関係者は年末まで残り1カ月半での上積みを期待する。
 同漁協の臼井靖参事は「今季はカツオやビン長が好調だった半面、サンマや秋サケは依然として不漁が続き、厳しい現実もある。記録更新は喜ばしいが、水揚げが安定しているわけでなく、楽観視はできない。全ての漁業種が本来の漁模様に戻ることを祈るばかり」と話した。