英語版防災・観光ブックレット製作
英語版防災・観光ブックレット製作
気仙沼市を拠点に外国人向けの語り部活動などを行っている「KATARIBE World Network(カタリベワールドネットワーク)」が、英語版の防災・観光ブックレットを製作した。市内の外国語指導助手(ALT)の協力で、外国人の視点を取り入れて内容を編集。観光情報も盛り込み、東日本大震災の被災地に住む人たちが防災、減災に役立てるとともに、近隣の行楽の参考にもなる一冊だ。
震災では多くの外国人が被災し、言語や文化が異なる人たちの防災・減災対応が課題となっていた。このため、日頃から市内を訪れる外国人に対し、災害への備えや地域の文化を伝えている同ネットワークが、昨年4月から製作を進めてきた。
ブックレットはA4判のカラー刷り24ページ。
事前の備えとして、避難所や津波避難ビル、災害時に持ち出す食料、水などの備蓄品を確認しておくことのほか、災害情報の取得に役立つスマートフォンアプリなどを紹介。大雨時など災害の警戒レベルと、とるべき避難行動も英訳した。
外国人に分かりにくい防災無線の内容もパターン別に、ローマ字読みと英訳を併記して説明。ALTの協力で、市内で生活する外国人の疑問に答えるために工夫した。
観光名所では、浮見堂をはじめ、大島、復興祈念公園など市内だけでなく、松島や平泉など近隣のスポット、祭りを紹介。インバウンド対策にも生かせる。
製作資金は東芝国際交流財団が協力し、150部作成。市内各学校、図書館、県内の大学などに配布し、希望者に無料で配る。
代表世話人の山内松吾さんは「災害が多発する中、被災地にいる外国人が安心して暮らせるよう役立ててほしい。若い世代の英語教材にも活用できる内容」と話している。
ブックレットのデジタルデータは無料で提供しており、問い合わせは山内さん(電話090・1068・4809、メールkataribeworldnetwork@gmail.com)まで。