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株式会社 三陸新報
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歌津わかめ羊革製品 サマンサタバサとコラボ 

握手を交わす金藤代表、米田社長、佐藤町長(左から)
握手を交わす金藤代表、米田社長、佐藤町長(左から)

歌津わかめ羊革製品 サマンサタバサとコラボ 

 南三陸町歌津の羊牧場で飼育している「わかめ羊」と、人気ファッションブランド「サマンサタバサ」がコラボし、レザーポーチなどの商品開発がスタートした。東日本大震災から復興へ向かう町、牧場主らの思いを込めた物語性ある製品をラインアップの主力に育てつつ、町の産業振興も後押しする。来年度中の商品化を目指しており、14日には町役場でメディア発表会が開かれた。
 コラボは、サマンサタバサジャパンリミテッド(本社・東京都)の米田幸正社長が、テレビ番組で「さとうみファーム」を知ったことで実現。復興支援から生まれた事業に感動するとともに、未利用の革を使った商品開発で役に立てるのでは―と、思い立ったという。
 同ブランドが羊皮を扱うのは初めてだが、社員が一丸となり、牧場や町と協働する「南三陸わかめ羊プロジェクト」を立ち上げた。同社と提携し、長年町の繭を使用している京友禅の老舗「千總」を下支えする千総友仙工場も織物素材、デザインの提供で協力。「最高峰のメイドインオールジャパン」の商品を作る。
 羊革は、牛や鹿の皮より手触りが柔らかく加工が難しいが、「わかめ羊」は羊の中でも匂いが少ないメリットがある。牧場で飼育しているのは約200頭で、食肉として出荷する年間約80頭分を利用し、年度内に加工法やデザインなどを練り上げ、来年度中にはシニア世代をメインターゲットにしたポーチ、バッグ、財布を商品化する計画だ。
 同社では町と連携して牧場の規模拡大もバックアップし、雇用創出、産業発展を伴走支援するほか、町内小学校でプロジェクトの特別授業も行う考え。
 記者会見には米田社長、同ファームの金藤克也代表、佐藤仁町長が出席。米田社長は「由来、経緯、思いのストーリーがあるすてきなプロジェクト。社員が心一つに主力商品に育て、世界に発信していく」と語った。
 金藤代表は「わかめ羊もだが、より南三陸町が全国に認知されるようになれば。事業拡大も頑張っていきたい」、佐藤町長は「町として全面的にバックアップする。(人気ブランドによる商品開発は)町民にとっても自信になる」と話した。