気仙沼の天気を確認2023年12月07日(木)

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サケふ化「望みつながった」

気仙沼大川のふ化場に移入される卵
気仙沼大川のふ化場に移入される卵

サケふ化「望みつながった」

 県内各河川でサケの遡上が著しく減少し、採卵数が落ち込む中、14日には気仙沼・本吉地方のふ化場3カ所に北海道産の種卵約270万粒が移入された。今季は道内でも場所によってサケが不漁で、一時は供給が危ぶまれたが、ひとまず移入が実現し、関係者は胸をなで下ろす。
 県さけます増殖協会によると、25日までに計700万粒が供給され、県内11ふ化場に配分される。14日の初回分は、宗谷岬南東の徳志別川産の種卵。10月上旬に採卵して発眼状態まで育てた卵を譲り受けた。
 大川水系さけます増殖協会事務局の気仙沼市水産課職員をはじめ、気仙沼鮭漁業生産組合、小泉川鮭増殖組合の関係者合わせて4人が現地で卵を受領。13日朝にトラックで出発して仙台港までフェリー航送し、南三陸町や気仙沼市に運んだ。
ふ化場ごとの移入数量は、気仙沼大川約140万粒、小泉川(津谷川)約70万粒、南三陸町(小森、水尻)約60万粒。気仙沼鮭漁業生産組合の管野幸一組合長は「卵の状態は最高。不漁前の水準には及ばないが、まずは望みがつながった」と話した。
 大川の移入卵は、あと1カ月ほどでふ化し、年内には飼育池に移行。来年2月ごろの放流を予定している。
 この日は、石巻市と栗原市などのふ化場4カ所にも計130万粒が移入された。