南三陸町「めぐりん米」が温室効果ガス削減認証でラベル取得
南三陸町「めぐりん米」が温室効果ガス削減認証でラベル取得
南三陸町の「山藤運輸」(佐藤克哉社長)が栽培している「めぐりん米」が、農林水産省の「温室効果ガス削減見える化実証事業」のラベルを取得した。3段階の中で最も高いレベルで、化学肥料をほぼ使わず、町のバイオガス事業で産出された液肥を使っている点などが評価された。同社では「取り組みが体外的に評価さてうれしい」と励みにしている。
実証事業は昨年9月から始まった。農産物を生産する際の化学肥料・農薬、堆肥の施用、水田管理といった栽培データを基に、通常の栽培方法で生産した場合と比べて温室効果ガスの削減率を算出。削減率は星1(5%以上)、2(10%同)~3(20%同)で表す。
同社環境事業課は、地域の課題解決に向けて遊休農地の活用、持続可能な農業の確立などを目指している。米の栽培は現在、約2㌶で液肥を使用するほか、化学肥料や農薬を「ほぼ使わない」(担当者)方法で「ひとめぼれ」を栽培。環境循環型であり、食味も良い「めぐりん米」と銘打って販売している。
ラベル取得には、生産工程で二酸化炭素を多く排出する化学肥料を使っていないことが大きい。同社の試算では、実際は30%以上の削減率があるという。1年ごとの申請だが、米には農水省の許可を得た上でラベルを貼ることができる。
今後は、米のほかに生産している野菜や果樹でもラベルの申請を検討する。
佐藤社長は「南三陸には林業のFSC、漁業のASCなどの国際認証が話題となるが、農業分野はなかった。今回、対外的に評価されたことで商品価値の向上に加え、町が海、山、里全体で環境に配慮した取り組みを行っていることもPRできる」と期待している。
めぐりん米は、同社のほか、道の駅「さんさん南三陸」内の直売所「さんさん市場」でも販売している。問い合わせは同社(電話46・5825)まで。