気仙沼の天気を確認2023年12月07日(木)

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カツオビン長今季3万㌧ 120億円

最終盤を迎えたカツオの水揚げ
最終盤を迎えたカツオの水揚げ

カツオビン長今季3万㌧ 120億円

 気仙沼魚市場に今季、一本釣り船と巻き網船が水揚げした生鮮カツオとビン長は、不漁だった昨季と比べて数量は約4倍、金額は約3倍に増えたことが分かった。豊漁だった2021年と比べ、数量は2割弱減ったが、魚価高で金額は1・5倍に伸びた。現在、気仙沼沖で操業を続けているのは4隻だけ。漁期はほぼ終わりだが、船にとっては最高のシーズンとなった。
 気仙沼漁協によると、一本釣り船と巻き網船による生鮮カツオとビン長の水揚げは13日現在、数量3万1284㌧、金額119億8096万円。
 カツオが歴史的不漁で、ビン長がわずか5㌧しか揚がらなかった昨季(8383㌧、37億2298万円)と比較すると、数量は3・7倍、金額は3・2倍に増えた。
 前回、カツオが豊漁だった21年(3万7511㌧、81億1909万円)と比較すると、数量は16%少ないものの、シーズンを通して高値が続いたことから金額は1・47倍に増えた。今季のキロ平均単価は383円で、21年シーズンより8割高となった。
 買い受け人によると「昨季の不漁でストックが枯渇状態だっただけに、どの業者も在庫確保に必死で、強い引き合いが続いた」といい、ある問屋関係者は「高値が続いたことにより100㌧以上の中型・大型船は、どの船も例年に比べて1億円程度の上積みになっている」と話した。
 気仙沼沖では、先週末時点で10隻ほどが操業を続けていたが、この1週間で切り上げが進んだ。市場関係者らによると、4隻が残るだけだという。17日は3隻が入港したが、水揚げ数量は1・4㌧。4㌔以上の特大サイズが主体で、シーズン最終盤の需要増からキロ平均2414円の高値で取引された。