志津川湾ラムサール5周年シンポ
志津川湾ラムサール5周年シンポ
南三陸町志津川湾のラムサール条約湿地登録5周年を記念したシンポジウムが19日、町総合体育館「ベイサイドアリーナ」(町主催)で開かれた。町民ら約200人が参加。基調講演で豊かな自然を守り伝える大切さを学ぶとともに、小学校などの発表を通し、子供たちが環境学習に意欲的に取り組んでいることを実感した。
志津川湾は暖流と寒流が混ざり合う海洋環境における生物、藻場の多様性や、国天然記念物コクガンの越冬地であることなどが評価され、2018年10月18日、海の藻場としては国内で初めて条約湿地に登録された。
シンポジウムは「南三陸の自然の恵みをいつまでも」がテーマ。佐藤仁町長のあいさつ、町自然環境活用センターの阿部拓三任期付研究員による志津川湾の紹介に続き、滋賀県の小学校教諭でラムサールセンター副会長の中村大輔副さんが基調講演した。
中村さんは、ラムサール条約登録湿地の琵琶湖と、志津川湾の共通点を説明した。滋賀県と南三陸町には森林が多く、降った雨はそれぞれ湖、湾に流れ込むことや、ビワマス、シロザケを大事にする地域性も踏まえて「(琵琶湖と志津川湾は)暮らしを映す鏡」とした。
同県の子供たちが、町の子供たちの取り組みを参考に、湖や里だけではなく森林の保護にも目を向けたことをを紹介し、交流・情報交換することの重要性も強調。子供たちの自然を守ろうとする姿勢を強調しながら「大人も支えるような教育を」と呼び掛けた。
学習発表では、小学校4校の5、6年生、と南三陸高校自然科学部、南三陸少年少女自然調査隊が登壇。学区内で行われている自然保護活動、課題、自分たちが頑張りたい取り組みなどを堂々と発表した。愛知県の「劇団シンデレラ」による、志津川湾の今と未来をテーマにしたミュージカルも披露された。