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養殖ワカメ食害犯人はメジナ 南三陸

ワカメに群がるメジナ(同センター提供)
ワカメに群がるメジナ(同センター提供)

養殖ワカメ食害犯人はメジナ 南三陸

 南三陸町自然環境活用センターなどの調査チームが、メジナによる養殖ワカメの食害を確認した。水中写真・動画の撮影に成功し、魚によるワカメ食害を東北太平洋側で初めて明らかにしたもので、研究者も未想定の魚種で驚く。メジナの幼魚は以前からいたが、映像の群れは海水温上昇で越冬・成長したと推測。センターは、メジナの定着でワカメ養殖業に大きな影響が出る可能性を危惧し、情報収集に努めている。
 同センターによると昨年11月下旬、歌津泊浜の漁業者から食害の情報提供を受けた。その後、12月14日から約1カ月間、国立研究開発法人「水産研究・教育機構」、宮城大学と連携し、養殖いかだに水中カメラを設置した。
 設置後、体長10㌢以上のメジナの群れが、水面近くのロープのワカメに群がる様子を複数回撮影。細かくちぎるように食べられた葉も確認した。被害に遭った漁業者は「こんなことは初めて。いかだの3分の1がやられた」と説明する。
 同センターは情報提供を受けた際、アイゴやクロダイなどの可能性を考えていた。阿部拓三任期付研究員は「メジナは雑食だが、ワカメの『食害魚』としては名前が挙がっていなかった。全くの予想外」と驚く。
 メジナはこれまで、町内で数㌢の幼魚を確認しているものの、低水温に弱いため夏の来遊魚とみていた。映像の個体は10㌢超で、海水温の上昇により越冬して成長した可能性があるという。
 魚によるワカメの食害シーンを撮影したのは東北太平洋側では初めて。「犯人」がメジナであることも含めて今後、学会で発表する。
 心配されるのは今後の動向だ。県のデータによれば、現在の水温も過去10年の平均より5度ほど高い。阿部さんは「メジナが定着した場合は、養殖の被害対策が必要になる。今は、他で被害が出ていないか情報収集に努めるとともに、春までの水温低下による被害状況の変化を注視していく」と話す。
 同センターは、県漁協の歌津、志津川両支所にチラシを配布し、漁業者に情報提供への協力を求めている。