気仙沼の天気を確認2024年02月22日(木)

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東北ユースオーケストラ気仙沼で演奏会

澄んだ音色が会場を包む
澄んだ音色が会場を包む

東北ユースオーケストラ気仙沼で演奏会

 東日本大震災被災3県の学生らによる東北ユースオーケストラ有志による演奏会が4日、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館で開かれた。大学生ら15人が心のこもった美しい音色を会場いっぱいに響かせ、多くの来場者を魅了した。
 伝承館との共催で、LAFFOO関西支部が協力。同オケは昨年3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さんが、音楽を通じた復興を願って震災後に設立され、宮城、岩手、福島出身の小学生から大学院生まで約90人が所属している。
 今回は大学生を中心とした有志が震災学習も兼ねて気仙沼を訪れ、演奏会を開催。坂本さん作曲の「ラストエンペラー」や「アクア」をはじめ、「海の見える街」など6曲を演奏した。来場者約150人が澄んだ音色に聴き入り、心温まるひとときを過ごした。
 夫婦で聴きに来た市内松崎猫渕の髙橋勝義さん(76)は「気仙沼で聴けてうれしい。若い人たちの演奏は躍動感があり、エネルギーを感じた。坂本龍一さんは亡くなったが、これからも遺志を継いだ皆さんで後輩を育て、活動を続けていってほしい」と願っていた。
 演奏会を企画したのは気仙沼市出身で、福島大学4年の三浦瑞穂さん(22)。春から社会人になるのを前に、古里の人たちに演奏を聴いてほしい―と、地元での開催を提案した。
 東日本大震災時は、階上小学校3年生だった。階上中で吹奏楽を始め、東北ユースオーケストラ事務局からの誘いを受けて3年の夏に入団。パーカッションを担当している。
 震災で多くの人が亡くなり、入団前は「生き残ってよかったのか」と考える時があったというが、「(同オケに入って)役割を与えられていると感じ、生きていることを肯定できた」と振り返る。
 大学卒業を控え、念願の地元での開催。演奏会を終え、「無事に開催できてほっとしている。たくさんの人が聴きに来てくれしかった。心に残る演奏ができてよかった」と笑顔を見せた。
 震災の経験から防災への思いは強く、前日は気仙沼入りし、団員みんなで杉ノ下慰霊碑や「命のらせん階段」などを見学。「震災を語り継ぐことが未来の減災につながる。これからも忘れず、後世へ語りつないでいきたい」と力強く語った。