気仙沼の天気を確認2024年02月23日(金)

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低気圧によるワカメ被害「死活問題」

葉同士がこすれて傷ついたワカメ(県漁協歌津支所提供)
葉同士がこすれて傷ついたワカメ(県漁協歌津支所提供)

低気圧によるワカメ被害「死活問題」

 気仙沼・本吉地方で、先月21日から22日にかけて通過した南岸低気圧による養殖ワカメの被害が明らかになってきた。まだ全容はつかめていないものの、大谷・本吉地区では被害割合が80%に上っているという。9日に県漁協気仙沼総合支所で開かれた、管内の会議で、各地区の県漁協関係者らが壊滅的な被害状況を報告した。
 会議には、北部管内(気仙沼市、南三陸町)の五つの県漁協支所の関係者らが出席し、それぞれの被害状況を報告した。会議は非公開だったが、終了後に報道対応した及川文博部会長(南三陸町歌津)によると、地区ごとに外洋物で50~80%、内湾物で20~30%が被害を受けたことが報告されたという。
 被害の内容は、ほとんどが「落下」や「損傷」。低気圧による大しけでワカメがロープから落ちたり、葉同士がこすれ合うことで傷つくなどした。
 今シーズンのワカメは、昨夏の記録的猛暑や黒潮続流(暖流)の異常な北上で発芽が遅れた。それに伴い、多くの生産者が早生種を増やしたが、今回の低気圧では、収穫直前だった早生種が甚大な被害を受けた。
 地区ごとの報告によると、大谷・本吉の被害割合80%で最も高かった。このほかは、階上外洋と志津川外洋が70%、歌津地区と戸倉外洋が60%など。
 直接的なしけに襲われた外洋物は、どの地区でも半数以上が被害を受けたと見られ、部会関係者は「早生種は根の『張り』が弱いため、被害の増大につながった」と分析している。鹿折、松岩、階上の一部では、河川から大量の真水が流入したことで葉が腐る被害も確認されている。
 被害を免れたワカメが成長すれば、多少は被害が圧縮できる可能性があるものの、「今のところ水温が例年より4度ほど高く推移しており、現実は厳しい」と及川部会長。「死活問題」と訴える生産者もいることから、部会では今後、県などに支援を求めていくという。